きれいな花の写真

★とどのつまり

■復刻版
忘れえぬ猫たち


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  とどのつまり 作:笹渕忠和本文へジャンプ


第2話 足元を見られる 

 


 2016年9月26日、旭川の高砂酒造はもろみの入った袋をぶら下げ、一滴ずつ酒を絞る「一夜雫」の製造を終了すると発表した。

 原因は地球の温暖化で冬の気温が十分下がらず、雪氷室での酒の品質の管理が難しくなったとか・・・

 1990年から作り始めた「一夜雫」はうまいと評判になり、おじさんも買ってきて試飲してみると、なるほど、雑味がなく香り豊かで美味しい。おじさんのような酒飲みには少し甘過ぎる気もするが、食前酒としては最高である。

 9月の道新報道を見た上さんは「ありゃ、そ

れは残念」と思わずつぶやいた。量は飲めないが上さんはこのお酒が大好きで、年越し・お正月には必ずと言ってよいほど用意して、夕食にちびちびと飲んでいる。

 おじさんは早速、買いに走るが、時々このお酒を見かける近くの生協はあいにくと改装のため休業、やむなく近くの個人酒店を思い出し、そこで最後となる「一夜雫」を4,750
円でゲットしてきた。
 どうやら来年(2017年)のお正月には間に合いそうである。

 ところがである。2日後、生協の新装開店
で「一夜雫」の価格を見ると3,750円となっていた。おじさんは個人の酒屋に足元を見られた思うが仕方がない。

 こんな銘酒が今後製造されないとはまことに残念ではあるが、旭酒造の銘酒、獺祭
(DASSAI)同様、一度味わった人の記憶
には永久に残るだろう。
              (2016/09/27)




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