きれいな花の写真

★とどのつまり

■復刻版
忘れえぬ猫たち


私のお気に入り

小説「猫踏んじゃったU」

小説「猫踏んじゃった」

喜劇「猫じゃら行進曲」

小説「眠れない猫」
  とどのつまり 作:笹渕忠和本文へジャンプ


第3話 ななめ読み
    

 


  当初、このシリーズのタイトルを、「おじさんの徒然草」としましたが、改めて「徒然草」を読みなおすと鋭い洞察力と批評で、とても呑気な話をつづれないと反省し、結局「とどのつまり」と改題しました。
  しかし、「徒然なるままに、日暮らし、硯に向かひて、こころにうつりゆく由無し事を、そこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂おしけれ」の心境だけはその通りです。

 さて、本題に入ります。鴻之舞中学校の図書館では黄色の布で特別に装丁しなおした
新潮文庫がずらりと並んでいました。出版社で図書館用に文庫のハードカバーを発売し
ていたのか、住友鉱山が特別に作らせたの


か、不明です。

  ド田舎で刺激のない中学校生活を送っていたおじさんは、新潮文庫のハードカバーで
ある古今東西の名作をむさぼり食うように手あたり次第、借りて読みまくりました。たくさん読みがたいために、この頃からななめ読みをする習慣がついてしまいました。

 
 大学生になって、文学部の友達と
島崎
藤村の「破戒」について話していたら、彼は
「こん
な話があったでしょう」と、一字一句間違うことなく復唱したのです。これには愕然
としました。
おじさんは細かいところは何も
覚えていません。
おじさんは単にストリー
を記憶していただけだったのです。

  「嵐が丘」と「罪と罰」も、退職後に懐かし
くて再び買って読み直します。しかし、2作品
とも細かい情景描写が続き、3ページも読
むと疲れ果て、後のページは結局ななめ読
みしてしまいます。せっかちな性格だけは
変わりません。     (2016/10/12)




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