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忘れえぬ猫たち

小説「猫踏んじゃった」
喜劇「猫じゃら行進曲」
小説「眠れない猫」

ベトナム四十八景

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イタリアかけある記
  しばらくして、
  「仕方ないよね」
  と誰かがため息をつく。
  「宮城会長が引き受けるかな?」
  最古参の選考委員、水前寺分会長が誰に聞かせるとでもなく呟く。最古参の彼
は当然宮城会長とも長い付き合いだし、宮城会長が年末に辞表を提出したのを
知っていたのかもしれない。
  それを聞いていた町沢分会長が、
  「他にふさわしい人がいなければお願いするしかないですよ」
  と発言する。
  「そうね」
  西 女史も追随する。
  「それじゃあ、そうすることとして・・・副会長候補は誰がふさわしいでしょうか?」
  早川はここまで言って、北村副会長が上げた候補を思い出し、
  「福祉部副部長の森村さんなんかはどうでしょう?」
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  と提案する。
  「良いとは思いますが、彼はまだ現役で働いており、今の仕事はとても忙しいみ
たいですよ」
  塩田青少年部長がそう言う。福祉部所管の北村副会長と森村福祉部副部長の
上下関係を塩田女史は女の感で気づいたのかもしれない。かつて、北村副会長
所管の館山研修部副部長が役選委員長後に研修部長になったように・・・
  そんな事にも気がつかない早川は、
  「そうですか、それは残念だけどしょうがない。それでは保健衛生部長の竹山さ
んなんかは?誠実な方だと思いますが・・・」
  事を急ぐあまり、早川はついつい自分の意見を言う。
  「迫力はないけど、いいんじゃない?」 
  西 女史が賛成する。 
  「分かりました、交渉してみましょう。ところで肝心な経理部長は?」
  早川は続ける。
  「現在の経理部長は続けないの?」
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  と事情を知らない浪岡分会長が声を発する。
  「彼は出来ないって・・・奥さんの父親と同居する事になって、昨年の暮れに家
のリフォームを終えたはずよ。『同居すると、これまでのように家で経理の仕事が
出来なくなるので経理部長は続けられない』と言っていたわ。彼は1月14日付け
で辞表を出していたわよ」
  総務部理事でもある西 女史が話すと、浪岡分会長以外はみんな知っているの
か、それぞれうなづいている。
  「経理部長は代わりを探すとなると難しいからね」
  早川が話すと、
  「最近、東5分会で理事になった小谷さんは屯田銀行に勤めていたそうで、経
理部長に最適です。しかし、彼には高木分会長が自分の後任にとして了解をもら
っていると言うんです」
  先田副部長が事情を明かす。
  理事会で早川の右隣の席の高木分会長は「わが分会の人達は町内会費や排
雪費などの支払いが悪く、分会長は班長に代わって会費を徴収して歩かなけれ
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ばならず、たいへんさ。私は分会長を早く辞めたいよ」と常々早川に話していた。
だから早川は、小谷理事に後任を引き継ぎたいという高木分会長の気持ちも分か
らないでもない。
  「私は小谷理事に分会長と経理部長を兼務してもらうようお願いしてみるよ。そ
して高木分会長にも了解をもらうよ」
  と先田副部長に話す。
  「そうして下さい」
  先田副部長は了解する。 
  「最後の三役、大事な総務部長ですが・・・」
  との早川委員長の問いに、
  「先田総務部副部長が良いと思います」
  町沢分会長がすかさず答える。
  「それは、とても・・・」
  と先田副部長が腰を引く。
  前回の選考委員会で彼は総務部長として圧倒的な票を獲得したのに、現職の
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第10話 迷い道  その2 ★★






















           

         


























































































































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