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      【番外編】



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喜劇「猫じゃら行進曲」
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イタリアかけある記
  「こうした経緯があって、大沢副会長の代わりにどなたがふさわしいか相談した
ところ、館山研修部長を薦められました。もちろん、このことは第2回選考委員会
でも相談し、メンバー全員が賛成したお願いであります」 と早川が話すと、
  「うーむ」
  と館山研修部長は驚いた顔をしている。彼は前回の改選期に役員選考委員長
をしていたから、今日の呼び出しはやり方についての相談かと思っていたようで
ある。早川は彼の次の言葉が出てくるまでとてつもなく長い時間に思われた。
  「みなさのお気持ちはありがたいが、私は今年とても忙しくなるのです」
  「と言いますと?」
  「2年前の東日本大震災で、各自治体が今後の災害に備えて避難所その他に
いろいろな備品を置くようになったのです。飲料水もその1つです。真狩にいる私
知り合いが羊蹄山湧き水の水利権を持っていて、その水の水質が良くて備蓄に
最適とのお墨付きをもらったそうです。今年の4月には会社を立ち上げ、内地府
県に販売・配送するんで、私に手伝えと言われているんです。それで忙しい会長
職はとても務まらないのです」
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  「そうなんですか?止むを得ませんね」
  (前回役員選考委員長を務めた館山研修部長なら・・・)と期待を持っていただ
けに、早川はまたしてもうっちゃりを食らった感じである。
  「他にどなたかご推薦いただけないでしょうか?」
  早川は、館山研修部長の考えを聞いてみる。
  「ふうむ・・・」
  彼はあれこれ顔を思い浮かべているのか、名前が出てこない。
  「北村副会長さんはいかがでしょう?」
  早川がふいに北村副会長の名前を上げる。館山氏が研修副部長だった時に
北村副会長が上司の研修部長だったのも考えにあった。
  彼は一瞬ふいを突かれたような顔をして、
  「い、いいんでないかい」
  と言ったまま、それ以上何も言わない。話もこれまでと感じた早川は、
  「分かりました、お忙しいところお時間をいただきありがとうございました。今後と
もご協力をお願いします」 と言って館山研修部長と別れる。
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  大本命の2人にふられて、早川の疲れはどっと増していた。しかし、早川はゆっ
くりはしていられない。

  早川は、1月25日、第3回役員選考委員会を開催し、館山氏の交渉結果を基
に、次の候補者として北村副会長の意向を打診する事をメンバーに諮り、了解を
得た。
  早川は第3の矢に望みを託し北村副会長と交渉を開始する。早川は前回の2
人同様、今年の選考方法と先の2人との交渉経過、断られた理由を説明し、
  「そんな経過があり、誠に恐縮ですが、会長候補になっていただけないでしょう
か?これは役員選考委員会全員のお願いです」と話を持ちかける。
  北村副会長は鳩が豆鉄砲をくらったように大きな黒目を開き、まるで予期せぬ
出来事と言うように、
  「私には会長なんてとても受けられません」と返事する。
  そう言いながら、その理由を聞くが答えない。
  「突然の話で驚かれたと思いますが、今すぐお返事をいただかなくても結構で
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す。よく考えてみてください」
  といったんは別れる。早川委員長の前途は多難であった。しかし、ここで投げ出
すわけには行かない。

  ♭ 丸い地球の水平線に
    何かが きっと 待っている
    苦しいこともあるだろさ
    悲しいこともあるだろさ
    だけどぼくらはくじけない
    泣くのはいやだ笑っちゃおう
    進めひょっこりひょうたん島
    ひょっこりひようたん島
    ひょっこりひょうたん島 (注 繰り返し部分のみ)
          「ひょっこりひょうたん島」 作詞:井上ひさし 作曲:宇野誠一郎

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第9話 ひょうたん島  その6 ★★★★★★






















           

         

























































































































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