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  「なんで総務部所属の理事が3人も入っているのだ?」
  早川が思わずうめく。
  坂本総務部長が口頭で明らかにした各ブロックの選出委員7名プラス書記をよ
く吟味すると、何と総務部関係者が3人も含まれているのである。
  西  ブロック     西2分会長     水前寺清己
  東A ブロック     総務部理事     西  久仁子
  東B ブロック     東4B分会長    早川  四郎

  北   ブロック     青少年部長     塩田  昌子
  南   ブロック      南1分会長     浪岡 友二
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  西野 ハイツ      分会長        町沢 正己
  総務部         総務部副部長   先田  未樹
  (書記)          総務部副部長   大西 なおみ 
  先月の第8回理事会で、早川が疑問を呈したように、総務部主導の選考委員
会という懸念が如実に現れている。
  役員選考委員の最古参理事水前寺分会長は執行部寄りだから、体制派は4
人、反体制派と思われる委員は4人、五分五分となる。想像したとおり、これは
現執行部・特に坂本総務部長の思いのままにする配置である。 
  大林前会長の復活をもくろむつもりか、はたまた坂本総務部長自身の会長ポス
ト狙いなのか・・・体制派の彼らが役員選考委員会でどう動いて出るのか、注意し
て見守らなければならない)と思った。
  この後、坂本総務部長から「理事の増員について」と5番目の議案が上程され
たが、例によって「各役員は積極的に勧誘されたい」といういつもの具体策のない
話で、12月12日の第9回理事会が終わった。

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  第1回の役員選考委員会が、総務課の手配により、12月20日の午後6時に町
内会館2階会議室で開かれる事になった。
  会議室に入ると、早川以外の7人はすでに着席していた。定刻に坂本総務部長
が入ってきて、「役員選考委員の(仕事の)手順」なる文書を各委員に配り説明する。
  要旨は、まず互選により役員選考委員長を決める。現三役が留任か退任か確
かめる。役員候補はそのポストにふさわしい人材かどうかを第一義として人選す
る。結果は(現)会長に報告し、会長は新役員体制を理事会に諮って総会で決定す
る。役員選考委員は会議の内容について守秘義務を守る。役員選考委員の任期
は12月12日から翌年4月の定期総会までとする。等などである。

  坂本総務部長はここまで説明し終えると、
  「よろしいですか?それじゃあ、みなさんよろしく」と言って退席する。

  総務部代表の先田副部長はその後を引き継ぎ、
  「それでは私先田が仮議長を務めます。役員選考委員長をどなたにお願いしま
しょうか?どなたか推薦願います」
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  と会議を進める。
  「はい、早川委員にお願いしたいと思います」
  寡黙ながらいつも真面目な町沢分会長が発言する。
  「他に?」
  先田副部長が他の委員の顔を見回す。
  「異議なし」 
  ほぼ全員うなづく。
  「それでは役員選考委員長は早川分会長にお願いします」
  と仮議長の先田副部長が早川の顔を見る。
  ぱらぱらと拍手がなる。
  「待ってください」
  早川があわててみんなの拍手を阻止する。
  「私はですねぇ・・・東Bブロックの選考委員に推薦された時にも、『私は来年度
役員を辞めるつもりなので引き受けられないと』お断りしたんです。ですから、役
員選考委員長という重責はとても受けられません」

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第9話 ひょうたん島  その1 ★






















           

         
















































































































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