きれいな花の写真

デジカメ千夜一夜

かんたん酒の肴 

おじさんの料理日記 

私のCD放浪記

私のCD放浪記
      【番外編】





●小説
 「猫踏んじゃったU」


なつかしの街角

忘れえぬ猫たち

小説「猫踏んじゃった」
喜劇「猫じゃら行進曲」
小説「眠れない猫」

ベトナム四十八景

デジカメ あしたのジョー


イタリアかけある記
  「社会見学がこの大所帯の町内会にふさわしいのか」
  「予備費が多すぎる」
  「管理人の人件費が上がっている」
  「会議の議事録をきちんと取って、必要な人が誰でも閲覧できるようにすべきで
ある」
  「現在さっぽろ市から借りている土地を今後も借り続けるのか、それとも地値の
7,000万円で買うのか」
  「夏祭りの収入と支出の経理科目がばらばらで、整合性がない」 
  などなどである。 
  質問した元経理部長の広島氏は、昨年秋から定期総会でこれらの質問をすべ
く、用意周到に準備をしてきた。彼は「町内会の一会員として、過去の帳簿を閲
覧したい」といって町内会館へやってきたのである。彼の調査には大林会長前会
長が裏で糸を引いており、阻止すべき立場の宮城会長と坂本総務部長はそれを
知っているから止められず、現在の山内経理部長に対応を丸投げしたものであ
る。広島氏の行動には、大林元会長の言うなりにならなかった宮城会長と山内経
173

理部長を揺さぶる魂胆が見え見えであった。
  しかしながら、山内経理部長はそんな企みがあると察知はしていても、そこのと
ころは態度におくびにも出さず、懇切丁寧に説明したから、老獪な元経理部長の
広島氏といえども歯が立たず、不発に終わったとしか言いがない。どこかで2人の
やり取りを聞いている大林元会長は苦々しく思っているに違いない。

  次の事業計画と予算にはほとんど質問がない。
  その他の項では、「夏祭りと盆踊り」「ゴミ問題」「除排雪の仕方」「公園と市道の
管理」について質問が出たが、坂本総務部長は例年通り関係先と相談し、後日回
覧板で回答すると答弁した。
  こうして、平成24年度定期総会はある一部の者達が画策した混乱は何一つ起
こらず、平穏無事に終了した。

  定期総会終了後、いつものように机と椅子を配置しなおし、第1回理事会が開
かれる。実質は直会(なおらい)である。
174

  テーブルには一枚の紙が置いてあった。件名は「健康教室」とあり、5月末の実
施予定で、当日の午前中は、東山病院で介護保険などの話を聞き、老後施設を見
学し、老健食を試食する。午後は周辺のミルク会社・醤油会社・パン会社の工場
を見学して回るという内容である。発信人は宮城会長と総務部の連名となってい
る。しかし、実質は自分だけが目立ちたい坂本総務部長の発案であろう事は誰に
でも想像できる。
  「何で研修部でなくて総務部が主催するのだ?」と誰もが一瞬思うが、目の前
の料理とお酒に気を取られ、この紙切れは無視された。

  5月2日(火)に開催された第2回理事会の議事は、新理事の任命(担当部署の
発表)と、総会に出た質問・意見・要望に対する回答案が主たるものだった。
  その他で、福祉部からは、「敬老会対象者が年々増えるため、昨年までの満7
6歳以上から今年は78歳以上にしたい」との提案があった。また、総務部から、
総会後の理事会(直会)で配られた例の健康教室が提案されたが、黒田分会長か
ら「研修部ではすでに別に計画があるのでは?」と反対意見が出て取り下げとな
175

った。そもそも理事会の前の三役会議で提出する議案を精査しているのか?し
ているとしたら三役会議がまたく機能していない事になる。
  最後に、北村副会長から、第1回見守り推進委員会について報告された。その
メンバーは宮城会長、北村副会長、滝川福祉部長、古谷防犯防災部長、先田総
務部副部長、大林・坂本など5分会長、3児童民生委員の13名であり、児童民
生委員を
除く役員たちは比較的見回り活動に熱心なというか、反対しない人達
だった。結論として「町内会から孤独死をひとりも出さない事」を確認したと言う。

  6月13日(水)には、第3回理事会が開かれる。
  今年の町内会の概要は、18分会、219班、加入世帯数が3765、理事の数
は58名と報告がある。加入世帯数と理事数は僅かずつ減ってきている。
  また、坂本総務部長に仕事を奪われそうになった研修部は、7月12日二風谷
アイヌ文化博物館などを見学する計画を提案する。早川は何の意味があるのか
疑問がないわけではないが、参加する意志がないので反対はしない。
  しかし、何年か前、当時の大沢分会長、現在の副会長が、 
176
 
タイトルイメージ   タイトルイメージ 本文へジャンプ



第8話 お祭りマンボ  その2 ★★






















           

         


























































































































前のページへ 次のページへ


トップページへ戻る