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  「背広に煙の臭いが着くでしょう?奥さんは何も言わない?」
  「上さんはとっくにさじを投げているよ。離婚されないだけまだましさ、ははは」
  と唐沢さんは豪快に笑う。

  ネットのタニミチワールド「禁煙大国、アメリカの惨上」の中には興味深い話が載
っている。要約すると、
  1.政府や州政府の「煙草の害で医療費が増大した」とする大手たばこ会社に
    対する損害補償は因果関係が認められず、言いがかりに等しい。禁煙運動
    に便乗したに過ぎない。そもそも健康保険制度がない、貧乏人が医療を受
    けられない現行システムの不備は政治の責任である。
     アメリカ人がみな禁煙すれば長生きし、医療費や年金の支出が増大し、政
   府の負担と個人負担が増える、と指摘する大学教授もいる。
  2.いまのような(過剰な)風潮が続くと、今後たばこ以外の日常的な習慣も攻撃
    の対象になりかねない、とバージニア州に本部を置くフォーセズ・インターナ
    ショナルは警告している。「一部ではすでに香水やアフターシェイプ・ローショ
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    ンが規制されているし、今後は、コーヒー、肥満の原因となる食べ物、肉の赤
    身、《間接飲酒》なども規制されかねない」
  という話である。
  谷道氏は煙草の健康に対する害は認めつつも、現状の禁煙運動の行き過ぎた
風潮に警告を発している。
  余談ながら、アメリカではクッキーやビスケットを大量に摂取しており、それらに
使用している「ショートニング」や「マーガリン」を取りすぎると健康に害があるとし
て槍玉に上がっている。日本ではアメリカに比べてクッキーやビスケットの摂取量
は少なく、食品業界は「ショートニング」や「マーガリンは」食品そのものだとして、
添加物の規制の対象になっていない。

  さて、話は東山町内会にもどる。
  早川は第11回理事会に出席すべく、町内会館に着くと、玄関フードの中に申し
訳程度に作られた喫煙所には、すでに常連の先田総務部副部長、古谷公園管理
部副部長、 南総務部女史がとぐろを巻いていた。灰皿は1斗缶を3分の1の高さ
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に切り取って作った代物で、その灰皿にはたくさんの吸殻が散らばっている。
  「お晩です、寒いねぇ」
  早川が先客のみなさんに声をかける。
  「ほんと寒いわ」
  小太りの南女史が身体を震わす。
  「それでも煙草は止められない?ははは」
  早川が笑う。
  「そうなのよ」
  そう言って、南女史はまた煙草に火をつける。
  「だけど、町内会役員でもタバコを吸う人は格段に減っているよ。健康に気をつ
けているのか、煙草の価格が上がったせいなのか・・・俺はいらいらするとこのよう
に時々吸っているけど・・・」
  16年も役員をやっている古谷氏が呟く。
  「そう言えば、煙草を吸う役員はこのメンバーを含め10人足らずかも知れない
ね・・・」
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  役員歴がそこそこ長い南女史が言う。
  「ところで、みなさんは煙草をどこで吸っています?私は最近上さんが咽るように
なったので、極力家の外で吸っていますが・・・」
  早川は3人の顔を見る。
  「もちろん、家の中です。冬は寒いもん」
  かかあ天下なのか、南女子が答える。
  「俺はめったに吸わないけど・・・ベランダが多いかなぁ」
  高層マンションの5階に住んでいる古谷氏が答える。
  「いつも煙草を吸っている先田さんは?」
  早川がヘビースモーカーの先田に訊ねる。
  「俺は家の外だよ、上さんが神経質でね」
  との先田氏の答えに、
  「そりゃ、可愛そうに、冬の蛍か?」
  西女史が目を丸くする。
 「冬の蛍は厳しいもんだよ」
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第7話 プカ プカ プカ  その5 ★★★★★






















           

         

























































































































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