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た。
  オレオレ詐欺では、犯人が息子を語るケースが79%で、孫は11%。被害者の
82%は息子や孫が30〜50代だった。被害者の57%が1週間から1ヵ月に1回
以上、息子らと連絡を取っており、音信不通の人だけが被害に遭うわけではない。
中には、自宅の2階に息子が在室していたにもかかわらず、危うくだまされかけた
という女性のケースもあったという。
  被害者の45%は「被害防止について家族と話し合ったことがある」と振り返っ
ており、日頃から注意してもだまされていた。
    ( 以上、日本経済新聞 「自分は大丈夫」過信禁物・・・2012/10/30)

  三馬鹿トリオの二次会はまだ続いていた。
  「ところで、婆さんがオレオレ詐欺に引っかかるのは分かるとしても、還付金等詐
欺も女性が多いというのはどういう事かな?」
  久井理事が疑問を呈する。
  「女性はやっぱり人が良いのかなぁ?『これまで税金を真面目に払ってきたから、
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神様がご褒美に戻してくれる、ちょいとしたお小遣いよ』・・・そういう感覚でないの
?」
  と小宮理事が笑う。
  「婆さんの虫の良い考えだよ、役所がそんな事するわけがないよ・・・話はそれ
るが、金融商品等取引でひっかかる人もいるが、私にゃまったく同情できないね。
このご時勢に金利が2割、3割なんてどう考えてもありえないのに・・・むざむざ引
っかかるんだから・・・自分だけ儲けようなんて、助平根性丸出しだよ。そういう被
害者に私はまったく同情できないね」
  と言って、久井理事は枝豆を口にする。
  「それじゃあ、オレオレ詐欺の被害者は、なんで女性が多いのでしょうね?早川
分会長!」
  小宮理事が早川の顔を見る。
  「マザーコンプレックスの裏返しじゃないでしょうか?」
  早川が答える。
  「マザーコンプレックスの裏返し?」
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  小宮理事が怪訝な顔をする。
  「これはあくまでも私の勝手な解釈ですが・・・マザーコンプレックスとは、子供が
母親に対して強い愛着心や執着を抱く事を言います。四六時中母親に固執したり、
年齢に関係なく、母親に頭が上がらなかったり、何かするにも母親の考えを優先し
たりする人がいます。こういう人をよく『マザコン』と言っていますよね・・・母子が
そういう関係にあると、息子が金に困っていると聞くと、母性本能がくすぐられ、本
能的に『私が助けてあげなきゃ』と思うんでないかと・・・」
  早川が言う。
  「そういう事か?なるほど、それで冷静な判断が出来ないのか・・・」
  小宮理事が目を輝かす。
  「他にも要因はあると思いますよ、例えば、物理的に固定電話を最初に取るの
は母親の役目だったり、息子の不祥事を他人に知られたくないと言った世間体を重
視する傾向が強かったり・・・」
  早川の独断的な分析が続く。
  「それもありますね、うちの上さんも世間体ばっかり気にしていますよ」
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  小宮理事がうなづく。
  「100万円ぐらいだったら、お父さんに相談しなくとも私でもへそくりはあるから
とか・・・お父さんに相談すると『俺の息子はいい歳こいて何をやっている、お前の
育て方が悪いからだ』と騒ぐとか・・・それにしても『母親は強し』ですよ」
  早川の推論が光る。
  「なるほどねぇ・・・」
  小宮理事がしきりに感心する。
  「犯人が電話をかけて、息子がいない時はどうするんだ?」
  久井理事が横から口を出す。
  「そりぁ、『間違いました』って、電話を切るに決まっていますよ」
  小宮理事が答える。
  「そうか、そうくるか?そうするとだねぇ、犯人が娘しかいない家庭に電話をかけ
た時はどうする?」
  久井理事が再度聞く。
  「それも間違い電話で済ませますよ、ははは」
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第6話 母さんの歌  その4 ★★★★






















           

         


























































































































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