カツァリス版ピアノ「ベートーヴェン交響
曲全集」が話題になった後、93年6月に
同じリスト編:2P版の「ベートーヴェン交響
曲第9番合唱」(P、アラン・ブラネス,ジョル
ジュ・ブリュデルマシェ)が輸入されました。
オーケストラのあの複雑な合唱入り交
響曲なら、リストと言えども2ピアノ版も編
曲せざるを得なかったのか?程度の関心
で購入します。(写真右2,800円)
開始からして、2台の音が切れ目なくリ
ズム良く鳴り響きます。第4楽章の合唱と
の掛け合いもこれはもうオーケストラ版を
超えております。(演奏時間70’53)
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そんな経過があり、この度、リスト編曲
カツァリス版のピアノ・ソロで「交響曲第9番
合唱(写真左)」を初めて聴きました。(演
奏時間65’36)
さすがにカツァリス本人が気持ちよく、
弾きたいように編曲しており、2人ピアノの
ように相手の準備や出方を待つことなく、
より間が短く、小気味よい躍動感を感じま
した。流れるような指の運びで、合唱部分
さえも呑み込んでおります。
中野 雄氏は「新版クラシックCDの名
盤 演奏家篇」(文春新書2009)で、カツ
ァリスについてこう述べている。「実演を見
たり、CDを聴いたりしていて・・・タッチも華
麗で美しかったが・・・風貌と挙措にいささ
かカリスマ性を欠き・・・この6枚は敬遠した
が10年後に結局買う羽目となった」
音楽の大先生でも、このような先入観
や思い込みがあるから、素人は間違えて
当たり前か? (2020/09/23)
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