
退屈まぎれに、近くの本屋に出かけると
本橋信宏著「ベストセラー伝説」(新潮新書
2019,6,20発行)があった。
本の題名より、帯に取り上げられた「冒
険王」「少年画報」「科学」と「学習」「平凡パ
ンチ」に目が留まった、と言って良い。
どれもが若かりし頃、むさぶりつくように
読み漁った本の数々である。図書館や友
達に借りたり、大人になってから自分で買
ったりした月刊誌や週刊誌や単行本であ
る。
はじめに「内容は夕陽の向こうに消えて
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いった懐かしい出版物とそれを作った編集
者たちの物語」と触れ、おわりに「本書は
『新潮45』で不定期連載されたものを、再
構成したもの」との断りがある。
また、最後の「ノストラダムの大予言」に
取り掛かろうとした時に、「新潮45」は事情
があって休刊したため、この最終章ははじ
めて公開された、と断っている。
前置きが長くなったが、我々が少年時
代に目を輝かせて読んだ「月刊漫画誌と
山のような付録」 「週刊漫画誌同士の戦
い」「人気漫画家の栄枯盛衰」「『科学』と
『学習』」「平凡パンチと週刊プレイボーイ」
等の、発行の裏話と編集者の戦いを事細
かに描いている。
読んでいると、生存している関係者に当
たって事実を細やかに調査してるため、あ
たかも当時の現場に居合わせたような臨場感があり、血沸き肉躍るような気になる。
(2019/08/26)
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