
7月末、暇つぶしにタワーレコードに立
ち寄ってみると、偶然オーパス蔵の「ウラニ
アのエロイカ」CD(左上)が目に留まり、つ
い買ってしまいます。
ご承知のとおり、1944年の12月19,
20日にドイツ帝国放送(RRG)より放送用
録音として録音されたフルトヴェングラー
指揮VPOの「英雄」は、戦後アメリカのウラ
ニア社が購入し、1953年LPとして発売さ
れ、演奏が白熱的と話題になった。
しかし、「ウラニアのエロイカ」はフルト
ヴェングラー本人の訴訟もあり、1958年
には廃盤となり、幻の名盤となった。1968
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年7月英国では、ユニコーン社がフルトヴェ
ングラー夫人の了解を得て再発売し、以後
世界各国のレーベルでもLPやCDとして、
雨後のタケノコのように発売された。
しかし、当時のレコードマニアの試聴に
よれば、各レーベル共に、「ピッチが半音
高い」「高音が高く聴きづらい」「音がこもっ
ている」等々、評判は思わしくなかった。
その頃、ようやくクラッシックに首を突っ
込み始めた若き日のおじさんは、これらを
買って比較判断する耳も、お小遣いもなく、
結局高嶺の花で終わった1枚である。
したがって、「ウラニアのエロイカ」には
あまり期待してなかったのですが、このCD
は実に聞きやすく、万人にお勧めできます。
ライナーノートによれば「オーパス蔵の
復刻者安原氏が保存していた音源LPの
1枚だけは殆どサーフェスノイズがなく、低
音から高音まで非常にバランスのとれた音
質を持っていた」という。(2019/07/15)
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