きれいな花の写真

★とどのつまり Ⅱ

■復刻版
忘れえぬ猫たち


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  とどのつまり Ⅱ 作:笹渕忠和本文へジャンプ


35話 お婆さんとトラ
    

 


  7月17日、札幌も久しぶりに晴れたの
で、バラ・紫陽花・百合の様子を見に散歩
する。バラは雨が続いたので、花びらが傷
つき、病気がちの様子である。肝心な百合
と紫陽花は、育ちが悪く、元気がない。

  がっかりして帰り道を急いでいると、小さ
な平屋根の一軒家の前でくつろいでいる1
匹の猫に出会う。他人を警戒しないので、
何枚か写真を写していると、玄関から独り
暮らしと思われる小柄なお婆さんが出てき
た。

  お婆さんに伺うと、この猫の名前はトラ、
2歳との事。


  「可愛い猫ですね?」「そうでもないんで
すよ、きかなくてきかなくて・・・」
「あれ?そう
なの?」
  「このトラは、孫が婆ちゃん独り暮らしで
可愛そうだからと、連れてきたんですよ、そ
れが気に入らなかったのか私に噛みつくん
ですよ・・・」「あらあら」

  「傷口からばい菌が入って化膿して入院
していました。その間孫と息子の家に預か
ってもらったんですが、暴れて暴れて困っ
ていると聞き、早めに退院して、トラを引き
取りましたよ。それ以来、孫と息子が遊び
に来ても食ってかかるんですよ」

  「ははは・・・ところでトラの毛並みが艶
々ですね」の問いに、「時々ネズミやスズ
メを獲って来て食べるんですよ。そのせい
でしょうね。私にばい菌も移しましたから。
外へ出かけるのが日課です」と笑う。
  

  
  お婆さんはきかん坊のトラが可愛くてた
まらない様子である。  (2018/07/17) 
  


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