病院の休憩室で読んだ雑誌「サライ」7
月号で、小学館新書「一度は読んでおきた
い 現代の名短編」(湯浅 豊著)を紹介し
ていた。面白そうなので、近くの本屋で取り
寄せる。
元「文學界」編集長、現在文芸評論家の
同氏が「本の窓」に連載した物を加筆修正
し新書化したもの。松本清張から三浦しお
んまで、44作家の珠玉の短編を取り上げ
ている。
タスキに「一読、思わず読みたくなる(再
読したくなる)極上のブックガイド!」と書い
てある。このうたい文句のとおり、素晴らし
|
|
い珠玉の短編がずらりと並んでいる。なな
め読みの天才も、思わず心して一字一句
丁寧に読む。
天下の文芸評論家 湯浅豊氏の紹介
は決してダイジェストではない。肝心なとこ
ろは読者が実際に本を手に取って、読んで
確かめるように紹介している。
おじさんも、長編を読むには根気がなく
なってきているので、取って置きの銘酒を
ちびりちびり飲むがごとく、ほぼ1カ月かけ
て、少しずつ読んだ。どの原本を手に入れ
確かめるか?まだ決めかねている。
本の最後尾、43作目に272Pに、短編
集「茗荷谷の猫」所収の「染井の桜」が取り
上げられている。ソメイヨシノは、江戸中期
から末期にかけて、巣鴨に近い染井村の
植木職の手で出来たと言われているが、そ
れをこんな物語に仕立てるとは?作家はす
ごい!➜第24話「消えるソメイヨシノ」を参
照のこと (2017/12/25)
|