2017年4月13日の午前4時、NHKラ
ジオ第1の「空が青いから白を選んだので
す−奈良少年刑務所詩集」という番組で、こ
の本の編著者、寮美千子氏の苦労話を聞
き、久々に深く感動しました。
作家の寮美千子氏は奈良少年刑務所で、長い間「社会性涵養プログラムの講師をしていて、詩の指導なども指導していました。
その詩の授業の中で、少年たちの閉ざさ
れた心が徐々に開くのを目の当たりにして、彼らの詩を何とか本にまとめたいと、刑務所と法務省を動かします。
そして、2010年6月長崎出版から「奈良
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少年刑務所詩集」として出版されたのです。
その一年後、長崎出版のご厚意で、新潮
社から文庫本(562円)としても発売されま
した。
詩集の題名ともなった「空が青いから白
を選んだのです」という詩を書いた少年は、父親の暴力の下で育ち、病弱の母を亡くし
ます。その母親が最後に彼に残した言葉
が「つらいことがあったら、空を見て、そこ
にわたしがいるから」だったそうです。
この詩を最初として、彼らの心を吐露し
た詩が57編並び、その都度、編者・寮美
千子氏が受けた感動をありのままに綴っ
てい.る素晴らしい本です。
(2017/04/20)
なお、法務省は5月26日、老朽化のた
め3月末で閉鎖された奈良少年刑務所の
改修と運営をホテル運営会社に委託し、
同グループは2020年の開業を目指すと
いう。 (2017/05/27)
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