昨年(2016年)7月13日、「天皇陛下が
生前退位する意向を示した」と報道された
時、何の因果関係もないのに何故か渥美清
の主演映画「拝啓天皇陛下様」を思い浮か
べました。
主演の渥美清は、1953(昭和28)年の
25歳の時、浅草のストリップ劇場「フランス
座」に移籍、殺気と暴力とエロスが売り物の
コントで一世を風靡していました。そして、こ
れからという時に、肺結核と胃腸を患い、3
年間休業します。
回復後、1961(昭和36)年から1966
(昭和41)年まで、NHKTVの「夢で逢いま
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しょう」「若い季節」に出演、あの顔と巧み
な話術で大変な人気者になりました。当時
のTVは白黒の生放送の時代で、コントと言
えども毎回とてもスリリングな展開でした。
そのなかで四角い顔の渥美清が発するア
ドリブに視聴者は大笑いしたものです。
1963(昭和38)年4月、映画「拝啓天
皇陛下様」が公開されました。主演は渥美
清、監督野村芳太郎、昭和天皇役に当時
流行作曲家の浜口庫之助で、伴順三郎と
花菱アチャコ主演の「二等兵物語」を見る
ような気持ちで映画館に向かいます。
しかし、誠に真面目な真面目なお話で
した。3度の飯 が当たるからと軍隊が大
好きな、無学な成年山正君は天皇陛下を
恋します。しかし、戦後になり、彼は交通
事故で亡くなります。ラストに文字スーパ
ーが「拝啓天皇陛下様。陛下よ。あなた
の最後のひとり子の赤子が、この夜、戦
死いたしました」・・・ 戦争への真摯な思
いが伝わります。 (2017/01/03)
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