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★とどのつまり

■復刻版
忘れえぬ猫たち


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  とどのつまり 作:笹渕忠和本文へジャンプ


第13話 拝啓天皇陛下様
    

 


  昨年(2016年)7月13日、「天皇陛下が
生前退位する意向を示した」と報道された
時、何の因果関係もないのに何故か渥美清
の主演映画
「拝啓天皇陛下様」を思い浮か
べました。

  主演の渥美清は、1953(昭和28)年の
25歳の時、浅草のストリップ劇場「フランス
座」に移籍、殺気と暴力とエロスが売り物の
コントで一世を風靡していました。そして、こ
れからという時に、肺結核と胃腸を患い、3
年間休業します。

 回復後、1961(昭和36)年から1966
(昭和41)年まで、
NHKTVの「夢で逢いま

しょう」「若い季節」に出演、あの顔と巧み
な話術で大変な人気者になりました。当時
のTVは白黒の生放送の時代で、コントと言
えども毎回とてもスリリングな展開でした。
そのなかで四角い顔の渥美清が発するア
ドリブに視聴者は大笑いしたものです。 

  1963(昭和38)年4月、映画「拝啓天
皇陛下様」が公開されました。主演は渥美
清、監督野村芳太郎、昭和天皇役に当時
流行作曲家の浜口庫之助で、伴順三郎と
花菱アチャコ主演の「二等兵物語」を見る
ような気持ちで映画館に向かいます。

  しかし、誠に真面目な真面目なお話で
した。3度の飯 が当たるからと軍隊が大
好きな、無学な成年山正君は天皇陛下を
恋します。しかし、戦後になり、彼は交通
事故で亡くなります。ラストに文字スーパ
ーが
「拝啓天皇陛下様。陛下よ。あなた
の最後のひとり子の赤子が、この夜、戦
死いたしました」・・・ 戦争への真摯な思
いが伝わります。   (2017/01/03)
 
   


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