第50話 続「展覧会の絵」
暇でタワーレコードに出かけると
クラシックCDの新譜はめっきり減りましたが、懐かしい再発売物が見
つかることがあります。
かつて「私のCD放浪記」第44
話に書いたリヒテルのヨーロッパデ
ビュー盤「展覧会の絵」、正しくは
1958年2月25日ブルガリア・ソフィアでのモノラル・ライブ版(上のCD)が再々?発
売(15・03・18)されていたのです。1度は空調の音が入っていると他の人に上げて
しまった名盤が、およそ30年後にようやく手に入ったのです。改めて聴き直すと、最
初は緊張気味のリヒテルも曲の進行と共に没頭し、最後には爆発せんばかりの力の
入れようで、雑音なんか気にならない熱演でした。おこがましくも吉田秀和氏の言葉
を借用すると「以前はまさにのんきな聴き方をしていた」と反省しきりです。
次に見つけたのは、ゲルギエフが手兵マリンスキー、オーケストラを指揮した「展覧
会の絵ほか」(下左、2014録音)でした。管楽器も弦楽器も打楽器も全力疾走してい
るかのような大迫力です。さすがロシアのオーケストラといったところです。2000年に
ウィーン・フィルを指揮したライブはNHK-FMでも聴き、その日本版CD(下右)も買いましたが、こちらのゲルギエフは慎重な音作りで、都会的で洗練されているように感じ
ます。どちらの演奏を取るか?好みの分かれるところです。 (2016/09/09)
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