前作「猫踏んじゃった」の連載終了後、熱心な読者から「続編を書いたらどうで
しょう?」というお勧めがあり重い腰を上げた。前作では社会福祉制度などの調査
に大きな手間を取られため、二の足を踏んだことは事実である。
続編も老齢化社会を正面に見据えて、町内会のあり方を真面目に考え続けた
内容としている。筆者自身、老齢化社会は遠い未来だと考えていたものが、続
編を書く頃には目の前に迫り、アルツハイマー・老齢者の迷走運転・オレオレ詐
欺・老老介護など日常茶飯事となってきている。新聞・テレビで老人問題が取り
上げられない日はない、という時代になってきている。
さらに2016年からはマイナンバー制度も実施され、老齢者は自分の銀行預
金口座や携帯電話の暗証番号もろくに覚えられないのに今後どうするのか?個
人情報は守られるのか?行政各省との連携はうまくいくのか?疑問が残る。老齢
者にとって受難の日々がくるのは間違いない。この他、 終活など老齢者の今後
の課題は数々あるが、小説にするには荷が勝ちすぎる。
残りの人生をいかに穏やかに過ごすか、各自が考えるしか方法がない。そん
な年齢になったと思うこの頃である。
長い間ご愛読いただきありがとうございました。
平成27(2015)年12月30日 北斗 七星