きれいな花の写真

忘れえぬ猫たち

デジカメ千夜一夜

かんたん酒の肴

おじさんの料理日記

喜劇「猫じゃら行進曲」



小説「眠れない猫」

ベトナム四十八景

デジカメ あしたのジョー

党の21.9%に取って代わられた。
  6月2日、鳩山首相は普天間問題の責任を取って辞任した。鳩山首相は抱き合
わせ心中のごとく小沢幹事長の辞任も取り付け、これを機に民主党の政治とカネの
問題を払拭するイメージを前面に押し出した。
  民主党は4日の両院議員総会で菅直人氏を新代表に選出、この後の衆参両院会
議で第94代61人目の首相に指名され、8日の皇居での任命式を経て菅内閣が正
式に発足した。菅内閣成立直後の共同通信社の世論調査では菅内閣支持率は61
%で、5月末調査の19.1%からV字回復した。民主党の支持率も43.8%で前回
調査より7.7%上昇した。
  そして7月11日菅内閣の下で第22回参議選が行われた。

 「やー、民主党はどうなっているのさ?」

  参議院選が終った7月12日、朝日のあたる家で金森支配人がまり子に話しかけ
る。
 「本当ですよね、マスコミが終盤情勢で民主党の劣勢を報道していたから、前回の
衆議院選同様なだれ現象を起こしたのかしら?」
297


  まり子が金森支配人のテーブルにコーヒーを運んでくる。
 「菅首相の消費税増税がみんなの反感を買ったんじゃないか?消費税増税を持ち
出した選挙は歴代の首相が惨敗しているからね」
  そういいながら金森支配人はずずーっとコーヒーを飲む。
 「そうねぇ、菅首相が税金の無駄遣いをなくす前に増税を持ち出したから前回のマ
ニフェストの支持者が裏切られた感じを持ったのではないかしら」

  まり子は大きな目をくるくる回して見せる。その時入口でカタンと音がして神田が
店に入ってくる。
 「みなさんおはよう、昨日の選挙の話かい?俺は民主党の敗因は菅首相の増税
論だけじゃないと思うな」
  そう言って神田は金森支配人の隣に座る。

 「神田さん、おはようございます、コーヒーはいつものね?」

  まり子がコーヒーメーカーの前に行く。
 「増税論が敗因じゃないって?そうですかねぇ」
  金森支配人が疑問を呈する。
 「そうさ、菅首相は軽率ではあるけれども、今回の選挙で前任の鳩山内閣のつけ
298


が来たんだ。鳩山内閣が成立後早速手をつけた高速道路の無料化や子供手当の
実施、八ツ場ダムの中止などが小沢幹事長の横槍で鳩山首相をはじめ閣僚の発
言が二転三転しただろう?国民は、特に沖縄県民は普天間基地の県外移設問題
で鳩山首相の発言が日替わり定食のように変わり、日本の首相として全く信用でき
ないと思った。
  国民は鳩山首相が成立した時、政界のプリンスが登場して新しい日本が誕生す
ると期待した。しかし、鳩山首相は小沢幹事長や自らの政治献金問題もあり、意欲
はあるが閣内をまとめるリーダーシ
ップに欠けている事を露呈してしまった。政治献
金問題と党内派閥抗争と日替わり定食発言は自民党政治何らと変わらないと国民
の目に映ったのではないだろうか?」
  神田はとうとうとまくし立てる。
 「そういう状況の中で内閣支持率がV字回復した菅首相が調子に乗って消費税

増税をぶち上げた。しかし、その反響のすごさに自らの発言が二転三転し、日替わ

り定食となった。そして敗北した、と言う事ですね」
  金森支配人があくまでも自説に執着する。
 「それにしても国民はせっかちですよね。民主党政権もたった8ヵ月しか経ってい
299


ないのに性急に結果を求めてもね、景気はそうかんたんに変わりっこないわよ。
もっと長い目で見てやらないと・・・・・・」

  鳩山首相のファンであるまり子が擁護する。
 「民主党と国民新党の連立与党は参議院議席数で過半数を取れず、国会は再び
衆議院と参議院で与野党勢力が逆転し、いわゆるねじれ国会になるさ。こうなると
法案が何一つ通らず、経済も国民生活も停滞するのに投票した人は分っているの
かな?」
  金森支配人は心配する。

 「そこまで考えて投票した人はどれほどいたのか、疑問だな。ほとんどの人はその
時のムードで投票するからね」
  神田がため息をつく。
 「前回の選挙と同じかな、ちょっとお灸を据えたつもりが、予期せぬ結果を招いた」
  との金森支配人の言葉に、
 「かと言って、自民党の得票率が伸びている訳ではない、民主党と自民党の票が
減って、みんなの党が伸びているだけですよ。」
  まり子が付け加える。
300

タイトルイメージ   タイトルイメージ 本文へジャンプ



第13話 姥(うば)捨て山  その3 ★★★






















           

         



































































































































前のページへ 次のページへ


トップページへ戻る