12月3日午前4時にNHKラジオ深夜
便「明日への言葉」を聞く。ゲストは沢木耕
太郎氏で「人生も旅も軽やかに」だった。
彼の著書にはフィクションも数々あるの
だが、おじさんには「深夜特急1~5」(19
94年新潮社文庫版)に思いがある。
これまで読んだ海外旅行ガイドとは全く
目線が違う。作者自身が実際に外国に出かけ、異国の行く先々で感じた事をそのまま
綴った本である。
文庫版・深夜特急1「香港・マカオ」の書
き出しは、「インドのデリーからイギリスのロ
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ンドンまで乗合いバスで行ってみたい-。
ある日そう思い立った26歳の"私"は、仕
事をすべて投げ出して旅に出た」である。
深夜特急三部作は1986年の単行本
から始まったが、前号でも触れたように、
90年から始まる海外旅行ブームを先取り
しており、 当時、大ベストセラーとなった。
この本は、観光業者の旅行ガイドとは
全く目的が違い、個人の紀行文のような記
述で、読者はその場に実際立ったような気
がする。
サラリーマンにはそんな旅行は出来な
いと思いつつ、本の中なれど、不思議な感
動を味わう。一読に値する。
さて、ラジオ深夜便の話に戻る。72歳
の彼の肉声?を初めて聞いたが、お歳に
似合わず若々しく、穏やかな語り口で、旅
行について気負う事なく淡々と語っていた。
(2020/12/07)
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