前号の河出文庫「ベートーヴェン」に載
っている「グルダ/ベートーヴェンのピアノ協
奏曲」は、かつて新潮文庫「世界のピアニ
スト」(1983)に掲載された物です。
これによると、吉田氏は1965年の秋、
ベルリン芸術祭に出席し、グルダのソロ、
べーム指揮ベルリン・フィルとのベートーヴ
ェンのピアノ協奏曲4番を聴き、音がきれい
で、とても良かったと回想している。
これを読んで、同じグルダがピアノのベ
ートーヴェンのピアノ協奏曲第4番のCDを
買った事を思い出しました(写真)。指揮が
アンドレ・クリュイタンス、オケがスイス・イ
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タリア語放送局、1965年の5月14日のラ
イブCD(エルミタージュ)です。
この演奏はグルダのピアノの音がボコ
ボコせず、とてもきれいな音色です。また、
第1楽章のカデンツァが秀逸です。クリュイ
タンスの伴奏も絶妙でとても感動しました。
ところで、ベートーヴェンの作品はすべ
てのジャンルに亘っており、膨大な量があ
ります。おじさんもジャンルの5割ほどのC
Dを所有し、時々聴いてもおります。
ベートーヴェンの作曲のエネルギーは
家庭環境と難聴に負けまいとする精神が
なせる技で、凡人にはどれを聴いてもたい
そう疲れます。交響曲でも「英雄」「運命」
「第九」など、立派な作品が多いのです。
そういう訳でベートーヴェンの生誕250
年を迎えても、心身共に弱いおじさんが改
めて聴き直すのは、どうしてもピアノ曲が中
心となってしまいます。(2018/06/30)
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