
天才ピアニスト、フリードリヒ・グルダの
CDは音楽評論家・故 吉田秀和の絶賛で
ほとんどのCDを買い集め、何回も聴いて
来ました。
有名なのは、ベートーヴェンのピアノソ
ナタ全集、ピアノ協奏曲全集、フルニエとの
チェロ・ソナタ全集、バッハの「平均率クラ
ヴィーア全集」、シューベルトのピアノ・ソナ
タなどです。
この他、楽しいのは、モーツアルトのピ
アノ・ソナタやピアノ協奏曲です。「これぞ
モーツアルト」と思わせる軽妙洒脱な演奏
で、誰でも心が洗われます。
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彼は1965年以降自由を宣言し、スタジ
オ録音の他ライブ出演も多く残しており、そ
れらのCDも時々登場しています。
グルダの弾くモーツアルトの後期のピア
ノ協奏曲は数多いが、後日、「アーノンクー
ル指揮・アムステルダム・コンセルト・ヘボ
ウとの23番&26番が、アバド指揮ウィー
ン・フィルとの演奏よりスリルがあり楽しか
った」と述べています。
今回、久しぶりに出て来たのは、1986
年6月12日の「モーツアルトのピアノ協奏
曲第20番と26番」のライブ録音、それもミ
ュンヘン・フィルとの弾き振りです。円熟期
を迎えた御年56歳の記録です。
気合が入っていたのか、第20番の出だ
しはグルダと言えども多少の緊張感が感ぜ
られます。第2楽章に入ると、肩の力が抜
けていつものように駆け回ります。いつもな
がらグルダのモーツアルトを聴くととても幸
せな気持ちになります。(2019/11/30)
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