たまにはいつもと違う本屋をのぞくのも
良いものです。今月初め、イオン発寒店の
本屋で浦上 満著「北斎漫画入門」(2017
年 文春新書)を見つけます。「犬も歩けば
棒に当たる」です。
作者の浦上 満氏は「浦上蒼穹堂」を営
む古美術商で、学生時代より「北斎漫画」
の魅力に取りつかれ約1,500冊を収集、
質・量ともに世界一のコレクションとして知
られているとか・・・
葛飾北斎は93回もの転居癖があり、酒
も煙草もやらず、90歳まで長生きし、日本
国中をスケッチして歩き、「椿説弓張月」「冨
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嶽三十六景」「大達磨の図」「北斎漫画」等
々の数え切れない作品を描き残しました。
北斎や広重の浮世絵が、ヨーロッパに
広く知られるようになったのは、1867年
のパリ万国博覧会が契機となった事は周
知の事実です。
写真は北斎の「すもうとり(部分)」の構
図に触発されたドガが「踊り子たち、ピンク
と緑」と「起床 パン屋の娘」の2つの油絵
に仕立てた物。
「ゴッホはなぜ北斎を模写しなかったの
か?」、浦上氏の疑問に、オランダのゴッ
ホ美術館のルーガー館長は、「パリで北斎
の人気が高く、作品も高く、ゴッホには手が
出なかったのでしょう」と答えたという。
この本では、200年前後経った初版の
作品を転載しているため、どれも色褪せて
おりますが、これは止むを得ません。
(2018/08/21)
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