TVでは毎日料理番組が放送されている
し、レシピも誰もがネットやスマホで見る事
が出来る。また店頭には料理本が氾濫して
おり、老いも若きも、男も女も、誰もがコッ
クさんか板前さんのようである。
ところが、ここに紹介する昔の料理本は
今日の料理本とはまったく違うものである。
写真にはない石井好子の「巴里の空の
下オムレツのにおいは流れる(1963 暮
らしの手帖社)」や、写真の壇一雄の「壇流
クッキング(1975 中央公論社)」や金子
信雄の「楽しい夕食(1988 実業の日本
社、1991 文春文庫)」などである。
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これらの作者はシャンソン歌手・作家・
俳優で、趣味として、自ら好きな料理を作
っているのである。それだけではない、そ
れぞれ住んでいる国の料理を作り、その
謂れや文化も述べているのである。
読者はあたかも現地でご馳走になって
いるかのように楽しい気持ちになってくる。
個々の料理の説明は、材料と作り方で
10行ほどしか載っていない。写真やイラス
トは一切ない。何度も読んで頭の中で想像
して作るしかない。これはこれでまた楽しい
のである。
壇一雄の「壇流クッキング」では、フライ
パンで作るスペイン流 酢ダコを紹介してお
り、思わず頬が緩んだ記憶があります。
今の若い人の料理は何でもスマホで調
べ、母親にも聞かないそうですが、料理も
いろいろ試行錯誤して覚えた方が身につく
のでは・・・これは、年寄りの冷や水でしょ
うか? (2018/06/20)
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